長く広告のデザインを仕事としていた。
それが理由かどうかはわからないが、必要以上に『馬子にも衣装』を意識する癖がある。引退した今でもそう。
中身がどうあれ、着飾れば世間は意外に騙せてしまう。人はどうしてもイメージ先行でモノゴトを見ることが多い。一見さんは本質なんて知らないのだから。
企業、商品、サービス、本、曲など、その名称やタイトルによって受け手の第一印象は変わる。それは、コトバ本来の意味だけではなく、音としての伝わり方、その文字を表現するフォントやデザインといったものにも左右されるだろう。
例えば、「Amazon」という企業。
この名前は、南米の巨大な河川で未開のジャングルというイメージでしかなかった。
しかしその実態は、あらゆる商品を網羅し、高度な物流網とクラウド基盤を持つIT・小売りの巨人として知られている。
もはやその名前と本質に因果関係はなく、誰にでも知られているという一点のみが共通する部分だ。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は2005年のベストセラー書籍であるが、このタイトルを想像して本文を読むと少し肩透かしを食らう。
マーケティング的には典型的な「フック(引っ掛け)」の仕組みだ。(ただし、内容は会計の仕組みをわかりやすく解説してくれる良書です。)
『Amazon』という企業名や書籍タイトルとしての『さおだけやはなぜ潰れないのか』は、記憶の中にアイコンとしては残るのだが、本質(内容)を知ってしまえばそれが何であったとしてもあまり気にならなくなるのだ。
「見た目が大事」ではなく、本来は「見た目も大事」なのだし、極端に言えば「見た目よりも内容」に行き着くのだろう。
それをもって、自分の話である。
何度かブログを運営してはブログタイトルという「名前」にこだわってきた。そんなことは忘れようと思い立ってブログを始めてみるが、どうしてもその癖は抜けない。
土門拳のように「えいやっ!」とはいかずに、3日くらい考えた。書く内容は決まっていないというのに。
こだわっているのは本人だけだから、結果的にどうでも良いのかもしれない。
まさしく自己満足な、そんなタイトルになってしまった。
「上出来」ということにしておこう。


